口永良部島ではここ数年、ヤクシカやノヤギが異常に増えて、食害が目立つようになりました。 植生への影響が心配されています。 島は、タカツルランの生育域の北限であり、スダジイの原始林(2次林)が広がっています。また、天然記念物であり、絶滅危惧種に指定されているエラブオオコウモリの最大の生息地です。餌となる木々に影響があると、エラブオオコウモリの生育にも影響が及ぶことになります。 シカやノヤギの被害調査を屋久島町に要請しています。行政による調査をお願いするためにも、自らの努力として、植生への影響調査を始めました。 |
絶滅危惧種ヤクシマヤツシロラン 新たに口永良部島で発見 屋久島に次ぐ国内2番目の自生地に 小さく開花期間も短い花、2住民グループが合同調査
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絶滅危惧種IAにリストアップされているタカツルランの保護と調査を行って来た「屋久島照葉樹林ネットワーク」と
佐賀大学の辻田有紀先生の研究活動に、「えらぶ年寄り組」は協力しています。
*タカツルランの先行研究の報告は、
植物分類,地 理,45(2):131-138(1994)
無葉緑植物タカツルランの棲息場所と棲息状況
馬田 英隆, 金谷 整一, 森 健
2014年 タカツルランなど植生の観察・調査
月日 | 時間 | 観察場所 | 観察内容 | 備考 |
8月3日 | 新岳噴火 | 立ち入り禁止のため、観測を中止しております。 | ||
6月29日 | 14:00~15:15 | 採石場跡地の上部 | 1個体のタカツルランが満開。 桜ランも確認 |
花見の会を開催。参加者15名。 |
6月22日 | 14:30~16:00 | みかん山登山路 | 1個体の開花確認。1分から2分咲き。他の1個体のつぼみは確認できた。開花に至らず。 播種ケース一つが地表に露出。埋め戻し。 桜ラン満開 Gさん、ツルランを新たに発見 |
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6月8日 | みかん山登山路 | 国際照葉樹林サミットのエクスカーションとしてタカツルラン見学会。 | 参加者約25名 | |
6月1日 | 前田、野池コース | コース整備とモニタリング。最後の詰めの間約100mにリボンをかけてコース完成 | ||
5月22日 | GPSカメラで、松枯れの調査 | |||
5月22日 | 8:00~10:30 | みかん山登山路 | 埋設した種ケースの2~3が地表に出ていた。 それぞれの個体に異常なし。 |
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5月21日 | GPSカメラで、松枯れの調査 | |||
5月6日 | 1000-1400 | 寝待→仁田→ピーク526m南尾根 | 植生モニタリング、GPSで仁田→野池コースの整備 | |
5月4日 | 930-1700 | 前田→野池→前田 | 植生モニタリング、GPSで、登り口、野池近辺のコース確定 | |
4月4日 | 1000-1700 | 向江浜→野池→前田 | タカツルランの新規発見できず。一般的な樹林モニタリング、GPSによる登山路の整備とチェック | |
4月1日 | 800-1230 | ミカン山登山道 | 播種した個体の確認、菌根の採取。十数個体のモニタリング。 | 屋久島3、口永良部3、見学参加1 |
3月31日 | 1600-1730 | 砂防ダム下 | 3個体をモニタリング | 屋久島3、口永良部2、見学参加1 |
1月19日 | 1400-1530 | ミカン山登山道 | 個体および播種ケースのチェック 年末に8本のうち5本を確認し、3本を残した。今回は、残りの3本を含め、山側、全7本を再確認。いずれも、問題なし。 |
表3-7 タカツルラン生育状況の経年変化
地域 |
個体番号 |
GPS 番号 |
生育地点 (緯度・経度) |
2014年 |
2017年 |
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個体の状況 |
2月調査 2016年度GW事業 |
5月 |
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A |
1 |
G588 |
北30°26.947 東130°12.154 |
背丈約6m |
発芽 |
ラン本体は枯死したが根部分が残存、発芽約2㎝、宿主スダジイ枯 |
発芽は健在 |
2 |
G118 |
北30°26.909 東130°12.186 |
背丈約8m、花も確認 |
枯 |
宿主スダジイが土石流で倒壊 |
枯 確認 |
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3 |
G119 |
北30°26.912 東130°12.206 |
背丈7~8m |
発芽 |
ラン本体は枯死、分岐発芽し約50㎝に成長。宿主スダジイ枯 |
個体は健在 |
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4 |
G120 |
北30°26.902 東130°12.207 |
背丈約6m、花確認、種と根菌採取 |
枯 |
宿主スダジイ枯 |
枯 確認 |
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5 |
G372 |
北30°26.899 東130°12.223 |
背丈約30㎝、ネットあり |
枯 |
宿主スダジイ枯 |
枯 確認 |
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6 |
G121 |
北30°26.890 東130°12.216 |
背丈約3m |
枯 |
宿主スダジイ枯 |
枯 確認 |
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7 |
G122 |
北30°26.873 東130°12.232 |
背丈約7m、(切通し崖上) |
枯 |
宿主スダジイ枯 |
枯 確認 |
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8 |
G123 |
北30°26.880 東130°12.233 |
約50㎝、ネットあり,宿主は枯れ |
枯 |
宿主スダジイ枯 |
枯 確認 |
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9 |
G132 |
北30°26.941 東130°12.173 |
約40㎝、ネットあり |
枯 |
宿主スダジイ枯 |
枯 確認 |
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10 |
G131 |
北30°26.562 東130°12.111 |
手塚ら(文献41) |
枯 |
宿主スダジイ枯 |
枯 確認 |
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C |
17 |
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北30°27.076 東130°11.596 |
背丈約6m(採石場上) |
残存 |
本体は損傷なく生存 |
つぼみ確認 |
2013年の調査 |
2013年 タカツルランなど植生の観察
月日 | 時間 | 観察場所 | 観察内容 | 備考 |
2013/12/24 | 1530-1630 | 砂防ダム下 ミカン山登山道 |
個体および播種ケースのチェック 1)5本を確認 播種箇所を目視確認。いずれも、サンプルに異常なし。 2)のこり3本は 日没が近づいたため、観察は見送り。 3)枝落ち 2個体のシイの木に枝落ちがあるも、ラン本体は無事。 4)一度枯れて、再生した個体(EA5) ランが低い場所にあり、ネットもなく無防備だが、シカの食害なし。成長は見られず。 |
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2013/11/25 | 1200-1350 | 砂防ダム下 | テスト播種ケース埋め込み、個体チェック | 屋久島まるごと保全協会、東北大学、年寄り組 |
2013/11/24 | 1100-1330 | ミカン山登山道 | タカツルラン見学会 テスト播種ケース埋め込み手伝いと東北大学辻田さんの説明 |
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2013/11/24 | 1100-1630 | ミカン山登山道、採石場上 | テスト播種ケース埋め込み、個体チェック | 屋久島まるごと保全協会、東北大学、年寄り組 |
2013/10/4 | ミカン山登山道 | 2個体のサネを袋ごと回収。1個体は、サネが弾け、種が袋に溜まっていた。他の1個体は、サネは弾けておらず、採取用の袋内に種なし。 | ||
2013/10/3 | 1540-1640 | 道路南、採石場の奥 | 袋回収。サネが弾け採取袋に溜まっていた。 | |
2013/9/13 | 新タカツルランに袋掛け | |||
2013/8/23 | 1000-1200 | 新たにタカツルラン発見 N27'04.40"E11'35.44"#8 |
GPSをはじめて使用、しい大木N27'03.57"E11738.12"#7 | |
2013/7/31 | タカツルランの種、袋掛け | 花はほゞ終了、枯れかけている状態。 豆のさやはしっかり成長。念のため花を外して袋掛けしました。 根を採取された個体で4~5本を2つの袋に分けました。他の個体では、3本ほどを一つの袋で袋掛けしました。 |
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2013/7/31 | 新たにタカツルラン発見 | |||
6月27日 | 1100-1500 | 新岳登山コース | タカツルラン#398の新芽が、シカに食べられた様子のあることを確認。ネットの上部を引き下げての食害です。他は順調。この日、新岳の西斜面ではマルバツツジが満開。 | |
6月23日 | 屋久島環境文化財団に申請していた平成25年度研究助成が認められました。テーマは「屋久島と口永良部島における照葉樹林内の菌共生に関する保全と研究」で、タカツルランの調査・研究です。屋久島まるごと保全協会、東北大学植物園と共に、えらぶ年寄り組も参加します。 | |||
6月18日 | 1100-1300 | 新岳登山コース | タカツルラン#396の花を数個採取。DNA分析用のサンプルです。 | |
6月11日 | 1100-1300 | 新岳登山コース | 7か所のタカツルランをチェックしました。 |
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5月26日 | 1100-1500 | 新岳登山コース、山ん神 | シカの食害から守るため、タカツルランの保全活動に参加。シダジイのヒコバエに食痕あり。 | 屋久島まるごと保全協会、東北大学、年寄り組 |
3月21日 | 一周道路、砕石場入口付近 | 樹木点検、食痕はごくわずか。 植生を隣接区域と比較するために、森の一画に、シカの侵入を防ぐネットを張った。長期観測の準備。 |
慶應義塾大学学生7名 | |
3月19日 | 一周道路、砕石場入口付近 | 各種の樹木の枝を、引っ張り下げる。シカがどの樹木の葉を食べるかを、確認するため。 | 慶應義塾大学学生7名 | |
3月10日 | 一周道路、砕石場入口付近 | 樹木点検、食痕多数 | ||
3月2日 | 一周道路、砕石場入口付近 | 樹木の葉を確認 | ||
2月中旬 | 一周道路、砕石場入口付近 | 各種の樹木の枝を、引っ張り下げる。 シカがどの樹木の葉を食べるかを、確認するため。 |